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身元保証人2人を用意するよう言われて、戸惑っていませんか。就職や賃貸住宅への入居、施設への入所などの手続きでは「身元保証人を2人」求められることがあります。特に就職の場面の身元保証人には、法律(身元保証ニ関スル法律)に基づく金銭的な責任が生じることがあるため注意が必要です。「身元確認のためのお願いだろう」と軽く考えていると、後で認識のズレが生じかねません。本記事では、身元保証人2人が求められる理由と、就職時に生じる法律上の責任、賃貸・施設で使われる「身元引受人」との違いを整理して解説します。
身元保証人2人とは?基本的な意味
身元保証人2人とは、就職や賃貸住宅への入居、施設への入所などの手続きで、身元保証人を2名用意することを求められる状況です。
ただし「身元保証人」という言葉の意味は、使われる場面によって大きく異なります。
- 就職時の身元保証人:「身元保証ニ関スル法律」(昭和8年法律第42号)が適用される場面。本人(被用者)の行為によって会社(使用者)が受けた損害を賠償する、という法的な責任を伴う契約です
- 賃貸住宅・介護施設などの「身元保証人」:多くの場合、法令上の明確な定義がない実務上の呼称で、身元確認や緊急時の連絡先の確保を目的とすることが一般的です(このような役割は「身元引受人」と呼ばれることも多く、身元保証ニ関スル法律は適用されません)
本記事では主に、法律上の位置づけが明確な就職時の身元保証人を中心に解説します。就職・入居・入所のどの場面で「2人」を求められているかによって、実際に負う責任の内容が変わる点に注意してください。なお、賃貸・介護施設の「身元引受人」について詳しくは身元引受人とは?意味・役割・責任をわかりやすく解説、身元保証人の基本的な定義については身元保証人とは?もあわせてご覧ください。
身元保証人と連帯保証人の違い
身元保証人(就職時)と連帯保証人は、どちらも金銭的な責任が生じうる立場ですが、法的根拠と責任が発生する場面が異なります。
- 身元保証人(就職時):身元保証ニ関スル法律に基づき、本人(被用者)の行為によって会社(使用者)が受けた損害を賠償する責任を負う立場です。たとえば本人の不正行為によって会社に損害が生じた場合などが想定されます。ただし、この責任は無制限ではなく、裁判所が使用者側の監督上の過失の有無や、身元保証人が保証をするに至った事情などを考慮して、責任の有無・金額を判断します(身元保証ニ関スル法律5条)
- 連帯保証人:民法上の概念で、主債務者(借主など)が家賃やローンなどの金銭債務を履行できない場合に、その債務を肩代わりする責任を負う人物です
「身元保証人は金銭的責任を負わない」という説明を見かけることがありますが、これは主に賃貸・施設で使われる「身元引受人」の説明であって、就職時の身元保証人には当てはまりません。就職の身元保証人には、身元保証ニ関スル法律に基づく賠償責任が生じうる点を正しく理解しておく必要があります。
身元保証人2人が求められる背景
複数の保証人が指定される背景には、いくつかの実務上の理由があります。
- 本人の身元確認の信頼性を高めるため、複数の関係者(親族と職場の関係者など)から確認を取りたいという意図
- 保証人の1人が連絡不可能になったり、やむを得ない事情で対応できなくなった場合のバックアップとして機能させたいという意図
- 就職の場面では、万一の損害賠償責任が生じた際に、1人に負担が集中しないようにするという意図が背景にあると考えられます
- 施設入所など、本人の身辺に複数の目を届かせることで、トラブルの早期発見につなげたいという福祉的な観点
身元保証人2人の法律上の扱い(就職時)
就職時の身元保証人には、身元保証ニ関スル法律によって次のようなルールが定められています。1つずつ確認していきましょう。
保証期間の上限(1条・2条)
期間を定めない場合、身元保証契約の効力は3年間です(商工業見習者は5年間)。期間を定める場合でも上限は5年間で、更新するときも更新後は最長5年間となります。
会社側の通知義務(3条)
会社は、本人に業務上不適任・不誠実な事跡があり身元保証人の責任が生じるおそれを知ったときは、遅滞なく身元保証人に通知しなければなりません。本人の任務・任地の変更によって身元保証人の責任が重くなる場合や、監督が難しくなる場合も同様です。
身元保証人の解除権(4条)
身元保証人は、3条の通知を受けたとき、または自らその事実を知ったときは、将来に向かって契約を解除できます。ただし、これは「将来に向かって」の解除であり、それまでに発生した責任が遡って消えるわけではない点に注意してください。
裁判所による責任の調整(5条)
裁判所は、身元保証人の損害賠償責任やその金額を定めるにあたり、複数の事情を考慮します。具体的には、本人の監督に関する会社側の過失の有無、身元保証人が保証をするに至った事情、保証にあたって用いた注意の程度、本人の任務・身上の変化などです。つまり、必ず減額される保証はないものの、会社側の監督体制も考慮の対象になるということです。
身元保証人が2人いる場合は、それぞれの保証人についてこの考慮要素が個別に検討されるのが基本的な考え方です。契約書に「連帯して責任を負う」といった特約があるときは、その内容によって扱いが変わる可能性があるため、契約書の記載を確認しておきましょう。
不利益な特約の無効(6条)
この法律の規定より身元保証人に不利な特約は、無効となります。
身元保証人2人になるための条件
身元保証人として求められる条件は、申し込み先(企業、貸主、施設など)によって異なりますが、一般的な要件は以下のようなものです。
- 成年(18歳以上)であること
- 本人と一定の関係があり、本人の状況を把握できること
- 安定した収入・社会生活基盤があり、連絡が取りやすいこと
- 指定された連絡先に到達可能であること
- 保証人としての判断能力に問題がないこと(成年後見制度の対象になっていないなど)
複数の保証人が求められる場合、「親族1人と職場関係者1人」のように、異なる立場の人物を指定することを求められることもあります。
身元保証人2人の実務上の注意点
- 各保証人が担う責任の範囲を、契約書・重要書類で確認し、保証人全員で共有しておくことがトラブル防止につながります
- 保証人の連絡先や住所に変更が生じた場合は、申し込み先に速やかに通知する必要があります。到達可能な状態を保つことが求められます
- 就職時の身元保証人には身元保証ニ関スル法律に基づく責任が生じうるため、「連絡先を貸すだけ」という軽い気持ちで安易に引き受けず、契約内容を確認したうえで判断することが望ましいです
身元保証人が見つからない場合の選択肢
身元保証人を用意することが難しい場合、いくつかの対応方法があります。
- 申し込み先に事情を説明し、保証人の人数や要件の緩和を相談する
- 身元保証人を紹介・仲介するサービスを利用する(利用規約や契約内容、責任の範囲をよく確認することが重要です)
- 親族や知人に改めて相談し、事情を説明したうえで引き受けてもらえるか確認する
身元保証と信用情報の関係
身元保証人になること自体が、信用情報機関(CIC、JICC、JBAなど)に記録される制度は確認できていません。身元保証は主に本人の身元確認や、就職時であれば損害賠償責任に関する契約であり、ローン・クレジットの返済履歴を扱う信用情報とは直接の関係がないと考えられます。
身元保証人2人に関するよくある誤解
誤解1:保証人同士が当然に連帯責任を負う
複数の身元保証人が指定された場合でも、法律上当然に全員が連帯して責任を負うと定めた規定はありません。裁判所は身元保証人ごとに事情を考慮して責任を判断するのが基本的な考え方です。契約書に連帯責任を負う旨の特約がある場合は、その内容を確認する必要があります。
誤解2:身元保証人は金銭的な責任を一切負わない
賃貸・施設で使われる「身元引受人」は、原則として金銭的責任を負いません。一方、就職時の身元保証人は、身元保証ニ関スル法律に基づき、本人の行為によって会社が受けた損害を賠償する責任を負いうる立場です。「身元保証人だから安心して引き受けられる」と一律に考えるのは誤りといえます。
誤解3:保証人が複数いると審査に落ちやすくなる
保証人の人数が多いこと自体が審査結果を悪くするとは限りません。むしろ複数の保証人を用意することで、身元確認の信頼性を示せる面もあります。
身元保証契約の解除・終了
就職時の身元保証契約は、主に以下のようなかたちで終了・解除されます。
- 契約で定めた期間(最長5年)、または期間を定めなかった場合の3年間が満了したとき
- 身元保証人が、身元保証ニ関スル法律4条に基づき、将来に向かって契約を解除したとき
- 本人の退職により、実務上、その後の行為について責任を問う前提がなくなったとき
身元保証人としての地位そのものは、会社との個人的な信頼関係に基づく一身専属的なものです。そのため、原則として相続されないと考えられています。ただし例外もあります。身元保証人が亡くなる前に、本人の行為によってすでに具体的な損害賠償債務が発生していた場合です。この債務は、通常の金銭債務として相続の対象になりうるとされています。個別の事情によって判断が分かれる可能性があるため、心配な場合は専門家に相談することをおすすめします。
身元保証が必要な手続きへの備え
身元保証人を求められる可能性がある手続き(就職、入居など)を進める際は、事前準備が重要です。申し込み先の要件を確認し、候補となる人物を早めに洗い出しておくと安心でしょう。特に就職の場面では注意が必要です。身元保証人に法律上の責任が生じうることを本人が正しく理解したうえで、候補者にも事情を丁寧に説明しましょう。そのうえで、引き受けてもらえるか確認することが重要です。
身元保証人が見つからない、あるいは事情を説明しても引き受けてもらえないという場合は、以下の選択肢を検討することも有効です。
- 申し込み先に事情を説明し、要件の緩和を相談する
- 身元保証人を紹介するサービスの利用を検討する
- 親族・知人に改めて相談する
身元保証人の手配に関するご相談や、より詳しい情報については、専門の団体に相談することも選択肢です。日本総合支援協会では、身元保証に関する基礎知識や相談対応も行っているため、必要に応じてお問い合わせください。
よくある質問
Q:身元保証人2人と連帯保証人2人は何が違いますか?
A:就職時の身元保証人は、身元保証ニ関スル法律に基づき、本人の行為によって会社が受けた損害を賠償する責任を負いうる立場です。一方、連帯保証人は民法上の概念で、主債務者が金銭債務(家賃・ローンなど)を履行できない場合にその債務を肩代わりする責任を負う人物です。根拠となる法律や、責任が発生する場面が異なります。
Q:身元保証人になる際、どのような情報を提供する必要がありますか?
A:一般的には、氏名、生年月日、住所、連絡先、勤務先などの基本情報を提供することが求められます。詳しい内容は申し込み先によって異なるため、事前に確認することが重要です。
Q:身元保証人2人が必要とされる理由は何ですか?
A:複数の視点から本人の身元確認や信頼性を補強したいという申し込み先のニーズに加え、就職の場面では、万一の責任が1人に集中しないようにする意図もあると考えられます。
Q:身元保証人が1人見つからない場合、どうしたらよいですか?
A:申し込み先に事情を説明し、保証人の人数や要件の緩和を相談する方法があります。また、身元保証人を紹介するサービスの利用や、改めて親族・知人に相談することも検討できます。
Q:身元保証人になることは信用情報に記録されますか?
A:身元保証人になること自体が信用情報機関に記録される制度は確認できていません。ローン・クレジットの返済履歴を扱う信用情報とは、直接の関係がないと考えられます。
身元保証人・身元保証に関する不安がある方へ


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